第四回 スペシャルインタビュー 後編

かづきれいこさん 後編をお届けいたします。

  • 後編の最初は、かづきれいこさんが現在最も情熱を注いでいらっしゃる「顔と心と体研究会」についてお伺いしたいと思います。
    プロフィールを拝見しますと、2000年あたりからこの団体をスタートされていらっしゃいますが、この発端はどういうものだったのでしょうか?
  • かづき1999年から大学病院の外来や大学の授業などにリハビリメイクが取り入れられたことで、医療の中にメイクが入っていく第一歩は実現しましたが、さらに私はもうひとつ別のアプローチを考えていました。それは、顔、心、体のそれぞれの専門家が連携し、“顔”の悩みを抱えた人をどうやって支援するかを考え実践する場を作ることでした。医療とメイクの垣根を越えて、そこに当事者(患者様も含め、ご家族など)が参加することで、双方の思いが伝えられる。こうした考えから、医療分野をはじめ、各専門家に呼びかけ「顔と心と体」研究会を発足させたのです。
  • この会の名前、顔と心と体の相互関係については、どうお考えでしょうか?
  • かづき私自身、生まれつき心臓に穴が開いていたため、冬になり寒くなると顔が真っ赤になり気持ちが落ち込んだという経験から、顔と心と体はつながっていると幼いながらに感じていました。朝起きて鏡を見たとき、顔が気になる日は気持ち(心)が落ち込み、気持ち(心)が落ち込むと体もしんどくなる。そんな経験が皆様にもきっとおありかと思います。
    当時、世の中は心と体ばかりで、そこに顔(見た目)は必要だと考えたのです。
  • その後2014年に公益社団法人として認可されたのもとても意義のあることだと思われるのですが。
  • かづき私一代では絶対に成しえないと思っていたので本当に驚き、また大変喜びました!2000年の発足からNPO法人となり、2004年には内閣府の認定を取得し「NPO法人フェイシャルセラピスト協会」へと移行。2012年からは公益化を目指して「一般社団法人リハビリメイク.協会」を設立し、そのわずか2年後に内閣総理大臣より公益認定を受けられたのです。私が長年行ってきた活動に公益性を認めていただけたことは大変意義のあることですし、また大変身の引き締まる思いでもあります。30年以上も変わらず想いを貫き通した自分を、自分で褒めてあげたいです(笑)。これも多くの方のサポートがあったからこそ。これからは皆様に役立つよう、社会に還元していけたらと思います。

  • 今年2月には、「メンタルメイクセラピスト®」 資格認証事業に関しても公益認定を受けられたそうですが、この資格についても興味があります。わかりやすく教えていただけますか。
  • かづきこの事業は、私が長年手掛けてきた外観に悩みを抱える人々の社会参加・社会復帰を後押しするメイクを「資格」として制度化しようとするものです。いよいよ来春から試験をスタートさせる予定です。
    そもそもメンタルメイクセラピスト®という資格を作ったのは、「見た目」に関する学問がなかったからでした。昨今、SNSなどの台頭により、「見た目」を気にする人がとても増えてきていると聞きます。メディアでは「きれいはこれ」とまるで正解のように出しすぎるから、情報に踊らされて心を病んでしまう人が増えてきているのです。そのためにちゃんと「外観」について教えられる人が必要なんです。 メンタルメイクセラピスト4級はご自身のメイクが出来る方は皆様、受験していただけます。3級からは第三者に対して、メイク技術の講習や指導を行う技術を身につけている方となりますが、大事なことはコミュニケーションをしっかり取り、メイクによりQOL※の向上を考えられる人になることです。
    さらに准1級以上からは、メイク技術のほかに「形成外科学」「眼科学」「精神科学」「法学」などの専門学科を学び、より深い知識と技術を得ていただくことで、医療現場においてメイク講習をしていただくことが可能になります。
    ※QOL=Quality of Life(生活の質) https://www.kaokokorokarada.org/
  • 将来、病院やクリニックにこのようなメンタルメイクセラピスト®がいてくれるのは、緩和ケアや予防など病気を抱える患者の方にも必要ですが、アンチエイジングやメンタルケアにも役立つと思います。
    私がこの資格にとても興味があるのは、いけばなにも似た要素があると感じていたからです。美しい花の色、香り、手触りを感じて、さらに想像力を膨らませていく。かづきさんにもわかっていただけると思いますが。
  • かづきそうですね。メンタルメイクセラピーで大事なことは、ご自身も含め、目の前の方の要望を感じ取り、外観に関する悩みを解消していくことです。というと難しく感じますが、要するに、目の前の方に喜んでいただくメイクを提供することが大事なのです。そのためにも多くの経験と想像力はとても大事ですね。
  • 私自身も検定を受けてみたいな、と思うくらいです。華道の目的の一つにも、他者を気遣う思いがベースにあります。また、美は人間にとって永遠の憧れですから。来年の第1回検定が楽しみですね。
  • 日々、お忙しいかづきさんにとって、私としてはいけばなが短い時間でもリフレッシュに繋がっていただけるようにと花材や花器を選んでいますが、今後はさらにいけばなでも可能性広げていただきたいと思いますが、今後のお稽古について何かご要望がおありでしょうか。
  • かづきいつも森先生には大変お気遣いいただき、ありがとうございます! 祖父がお花の先生だったことから自然とお花に触れる機会があった幼少期。そんな私がお花を習うことができ、また三越で展示させていただけるということに本当に感謝です。
     お稽古への要望ではないのですが、「お部屋に一輪」飾るキャンペーンをしましょう!前編でもお話しましたが、お花のエネルギーってとても大きいです。生きたお花が家に一輪あるだけで心豊かに過ごせることができますから、女性に限らず男性も、ケーキをひとつ買って帰るのもいいけど、花を一輪買いましょう運動をしましょう!

  • 確かに承りました、笑。プライベートレッスンは、その方だけのための時間ですから、私もお花屋さんで一本一本花材を選ぶところからかづきさんのことを想像しています。これからも花と人、人と人の呼応を大切にしたいと思います。
    せっかくですから、これからの華道について、池坊についてもお感じになるところをぜひ。
  • かづき池坊様のように伝統を大事に継いでいくことはとても大切なこと。その格式を踏まえたうえで、お花を愛でる気持ちを育てていくことは、人格形成にも役立つのかのしれませんね。
  • 京都での家元本部花展にもご案内したいです。やはり、いけばな発祥の地は趣が違いますから。
  • それではインタビュー最後に、日本が今後超高齢社会、人生100年時代に突入するにあたって、私達が心も体も充実した毎日をすごすための何か秘訣といいますか、かづきさんからメッセージをぜひ、いただきたいと思います。
  • かづき日常のことをちゃんとする。それって当たり前のようでとても大事だと思います。特に料理は、段取りを考えなくてはいけないから頭を使いますし、片付けなどもいい運動になります。前編でも話しましたが、花も料理も、メイクも全部似ています。
    日頃から何にでも色の配色や、ここに何を入れたらいいかなど、考えているだけでも、老いる暇はないと思いますよ。


  • 有難うございます。かづきさんの側でお話を聴いていると、とてもパワーをいただいている気になります。それは、人間としての魅力がかづきさんの内面から溢れているから。これからも、講演やワークショップで多くの方にかづきさんの笑顔にふれていただきたいと思います。 本日は有難うございました。

    後編    了