第四回 スペシャルインタビュー 後編
かづきれいこさん 後編をお届けいたします。
- 森後編の最初は、かづきれいこさんが現在最も情熱を注いでいらっしゃる「顔と心と体研究会」についてお伺いしたいと思います。
プロフィールを拝見しますと、2000年あたりからこの団体をスタートされていらっしゃいますが、この発端はどういうものだったのでしょうか?
- かづき1999年から大学病院の外来や大学の授業などにリハビリメイクが取り入れられたことで、医療の中にメイクが入っていく第一歩は実現しましたが、さらに私はもうひとつ別のアプローチを考えていました。それは、顔、心、体のそれぞれの専門家が連携し、“顔”の悩みを抱えた人をどうやって支援するかを考え実践する場を作ることでした。医療とメイクの垣根を越えて、そこに当事者(患者様も含め、ご家族など)が参加することで、双方の思いが伝えられる。こうした考えから、医療分野をはじめ、各専門家に呼びかけ「顔と心と体」研究会を発足させたのです。
- 森この会の名前、顔と心と体の相互関係については、どうお考えでしょうか?
- 森その後2014年に公益社団法人として認可されたのもとても意義のあることだと思われるのですが。
- 森今年2月には、「メンタルメイクセラピスト®」 資格認証事業に関しても公益認定を受けられたそうですが、この資格についても興味があります。わかりやすく教えていただけますか。
- 森将来、病院やクリニックにこのようなメンタルメイクセラピスト®がいてくれるのは、緩和ケアや予防など病気を抱える患者の方にも必要ですが、アンチエイジングやメンタルケアにも役立つと思います。
私がこの資格にとても興味があるのは、いけばなにも似た要素があると感じていたからです。美しい花の色、香り、手触りを感じて、さらに想像力を膨らませていく。かづきさんにもわかっていただけると思いますが。
- かづきそうですね。メンタルメイクセラピーで大事なことは、ご自身も含め、目の前の方の要望を感じ取り、外観に関する悩みを解消していくことです。というと難しく感じますが、要するに、目の前の方に喜んでいただくメイクを提供することが大事なのです。そのためにも多くの経験と想像力はとても大事ですね。
- 森日々、お忙しいかづきさんにとって、私としてはいけばなが短い時間でもリフレッシュに繋がっていただけるようにと花材や花器を選んでいますが、今後はさらにいけばなでも可能性広げていただきたいと思いますが、今後のお稽古について何かご要望がおありでしょうか。
- かづきいつも森先生には大変お気遣いいただき、ありがとうございます!
祖父がお花の先生だったことから自然とお花に触れる機会があった幼少期。そんな私がお花を習うことができ、また三越で展示させていただけるということに本当に感謝です。
お稽古への要望ではないのですが、「お部屋に一輪」飾るキャンペーンをしましょう!前編でもお話しましたが、お花のエネルギーってとても大きいです。生きたお花が家に一輪あるだけで心豊かに過ごせることができますから、女性に限らず男性も、ケーキをひとつ買って帰るのもいいけど、花を一輪買いましょう運動をしましょう!
- 森確かに承りました、笑。プライベートレッスンは、その方だけのための時間ですから、私もお花屋さんで一本一本花材を選ぶところからかづきさんのことを想像しています。これからも花と人、人と人の呼応を大切にしたいと思います。
せっかくですから、これからの華道について、池坊についてもお感じになるところをぜひ。
- かづき池坊様のように伝統を大事に継いでいくことはとても大切なこと。その格式を踏まえたうえで、お花を愛でる気持ちを育てていくことは、人格形成にも役立つのかのしれませんね。
- 森それではインタビュー最後に、日本が今後超高齢社会、人生100年時代に突入するにあたって、私達が心も体も充実した毎日をすごすための何か秘訣といいますか、かづきさんからメッセージをぜひ、いただきたいと思います。
- かづき日常のことをちゃんとする。それって当たり前のようでとても大事だと思います。特に料理は、段取りを考えなくてはいけないから頭を使いますし、片付けなどもいい運動になります。前編でも話しましたが、花も料理も、メイクも全部似ています。
日頃から何にでも色の配色や、ここに何を入れたらいいかなど、考えているだけでも、老いる暇はないと思いますよ。
- 森有難うございます。かづきさんの側でお話を聴いていると、とてもパワーをいただいている気になります。それは、人間としての魅力がかづきさんの内面から溢れているから。これからも、講演やワークショップで多くの方にかづきさんの笑顔にふれていただきたいと思います。
本日は有難うございました。
後編 了